ネット上で出会った自称魔法使いの占い

ばかばかしく思われるかもしれませんが、私は占い師を夢見て修行していたことがありました。修行と言っても自己流で、タロットのひき方を練習したり、意味を勉強したりする程度です。ネット上でもいいから、有名になりたいという気持ちでいっぱいでした。きっかけは、チャットで出会った自称魔法使いの人でした。そのひとは誰も知らないようなおまじないにも精通し、そのチャットでは一番目立つ存在です。目立つだけではなく、誰にでも敵意を向けられない人柄でもありました。きっと、そのように言葉も選んでいたのでしょう、私も彼女を尊敬していました。彼女に追いつきたい一心でオカルトの世界にのめりこんだ私が、占いに行きつくのも当然の道筋でした。修行を進めたある日、私は彼女に占い師を目指しているんだと告白しました。
その時の私は、きっと彼女に応援されるとか、ほめられるという言葉を期待していたのだと思います。しかし彼女の言葉は厳しく「あなたには向かないから止めなさい」ということだけでした。人の言葉を聞かないから占い師はできないだろうと、今となってはもっともだと思える言葉でしたが、その言葉でわたしは怒ってしまい、そのチャットもそれっきりです。それからは、よそのチャットに顔を出しては、知らない人に占いを押し売りする日々でしたが、なかなかうまくいかず、当たりも外れもしない、人に伝わらない占いは、どれだけやっても2流止まりでした。自称魔法使いの彼女の予言どおりになってしまった形です。いまでは占いもオカルトも半信半疑です。彼女も人を観察する術に長けていただけしょう。それだけでも、あれだけ人の心をつかんでいたのは、尊敬できる点だと思っています。

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